確かに、ドタバタ劇やキャラの濃さ、女性の多さ、
筋書きやコンセプトの一部は被ってる気がする。
それに、なんだか
仕事の話とか。
現場の苦労とか。
管理職の悲哀とか。
官憲癒着とか。
人身売買とか。
国際的な商売がどういうものかとか。
都市のセキュリティの脆弱性とか。
グリーンピースなどの環境保護過激派とか。
コンピュータのOSやアプリケーション。
機械と整備員の関係。
人間ドラマももちろん入っている。
そういう雑多な話がこの作品(機動警察パトレイバー)で扱われているという 懐の広さには驚き呆れざるをえません。しかも、80年代〜90年代前半の作品で・ですよ。
驚きの境地ですね。
とくに都市のセキュリティ。地下鉄サリン事件を予感させました。
コメンタリーでは押井監督が主役を女の子としているけど、
そういえば 実際の主役はやっぱり遊馬(男)だとおもうな。特に漫画版は。
ロボットもの では、"レイバー" はおそらくロボとしては最弱…。
なにせ設定が考えうる限り現実的。もちろん、ガンダムなんかめじゃないくらい弱い。
機体強化は OS バージョンアップ程度のもので、基本的には整備によるチューニングのみ。
民間機は装甲が FRP (ガラス繊維強化プラスチック) ってことで、軍備と対決すれば却って蜂の巣にされてしまう。
空飛べない、弾丸はすぐ空に、バッテリもすぐあがる、壊れる、もげる、モニター破壊される、やきつく。
大きさも8mと小さい。
普通の人が乗ると酔う などの強烈な設定。
考えられる限りの現実を詰め込んでいるように思います。
性能は、同等格の新型には全く適わないけれども、チューニングやフィーリング+操作で互角以上に渡り合う とか、そういうギリギリのところが本当に面白かった。
僕の知る限りではそこまで徹底したロボものは最近でも無いように思います。
例の HOS なんかはソフトウェアに意図的に悪意あるプログラムを挿入できることを端的に示し、影響の大きさをわからせる良い例のような気がします。
んでも、最初のほうに書いたけれども、ロボット格闘よりも人間・社会ドラマ面のほうが強い(アニメの作画枚数・予算などの影響のようです)作品で、特に漫画版は現代社会問題を扱った作品としては優れたものだと思います。
ロボット格闘、本当に少ないけど。