それが モモ だったなんて。

タイトルからは到底想像がつかない
スリルとミステリーを織り交ぜた
ファンタジー感あふれる
現代病を鋭く抉った小説。
それがモモだ。
著者のあとがきで 過去のことのようだけどむしろ未来のことでもあることをにおわせたのが秀逸だ。
まさしく 34 年前以上に現在のほうがよりこの問題が深刻化していると思われるからだ。
さて、上の自分の書評を見てもどんな本か
全く想像がつかないはずだけど、
自分なりに的確に表現したつもりだ。
著者ミヒャエル・エンデのストーリーテリング能力の高さには、
読者の想像を圧倒しつつ引き込む力に溢れていて、
これら同居するわけが無いような要素を
違和感無く収めているところが凄すぎる。
小学校6年生程度から親しめる本ということになっている。
けれども、20代後半くらいから読むと
正に自分が「忙しい」を言い訳に時間を貯めようとしながら
逆に貧しく消費していき時間の奴隷になる様子
を客観的な視線から突きつけられる
といった体験が生々しい感触でできるのではないかと思う。
そう、
大切なのは時間そのもの ではない。
計った時間でもない。
「生きた」「心の通った」時間だけが有る意味重要で。
なーんかチビ君や ayame とすごす姿勢について考えさせられることが多かった。
エージェントは時間を奪っていくように見えるけれども、保険の契約のように説明があって本人意思で時間を預けるように契約する形をとっているのが非常に印象深かった。
「やっぱ保険って無駄だよねぇ」みたいな(w
おっとズレた…
