2008年11月02日

【書き終えた】 EeePC 900x レビュー 02(レビュー)

Eeepc041.png

先日は写真の中心としましたが、今回は Netbook としてのレビュー中心とします。

写真については、本体の細かい写真は impress さんで多数掲載されており、私のサイトではEeePC 900x レビュー 01 で、箱や箱内の保管状態、私の保有している様々なサイズの Note PC (起動しないものふくむ)と外観の比較を実施しています。それらをゆっくりご覧下さい。



●レビュー〜 Web ビューワーとして はどうか〜

さて、個人的な感想になるのですが、やはり「NetBook」として EeePC 900x は1つの完成形といえるのではないかと思います。
NetBook とは、ウェブ利用を主目的としたパソコンの一種を指すようです。
その用途を考慮すると、メインは Web ビューワーとしてどうよ?に尽きるのではないかと思います。


僕は計っていませんが、A誌によると、Eee PC の起動は 37 秒だそうで、ネットブックのみならず通常の Vista PC と比較してもダントツに早いようです。
勿論、Windows Xp の起動としてはダントツに早いことになります。

また、僕調べですとスタンバイからの復帰が5秒です。Vista マシンでも復帰は早いですけどね。(自機は1秒未満でした)
これはドライブに SSD を使っているから・ということですが、高速な起動・復帰ですぐに使い物になる・というのは、この小さなボディと相まって手軽にネットをする・という目的を最大限実現しているといえます。
実際に外出先でスタンバイ状態から何度も復帰させて使ってみましたが、Windows ノートを PDA 系や CE 系のもバイルコンパニオンに近いスピードで起動させることで、非常に軽快な運用が可能でした。

また、8GB+8GB の 16GB の SSD & Windows XP ということにより、複数種類の Web ブラウザや Jane などをインストールすることが余裕で、1024ドット幅のディスプレイにより様々な Web サイトを自由に閲覧可能です。
また、900MHz の PentiumM ベースの Celeron は、WMVHD の 1280*720 にもなる HD 以上になる動画を、モノによっては余裕で再生しますし、高画質 DivX も可能です。

この処理能力では、動画の編集などの加工までには至りませんが、その閲覧については期待に対して十分以上の性能を発揮していると言っても良いのではないかと思います。ビューワーとしては十分だと思いますので、NetBook としての EeePC の性能は十分と結論付けたいと思います。



●音の再生はどうか

では主目的の Web 閲覧以外ではどうでしょうか。
私としてはこの PC をそれ以外の目的で使う予定は余りありませんが、たとえば iTunes で曲を鳴らしてみますと、900x 本体底面に設置されたスピーカーは、筐体サイズを考えるとかなりの高音質です。
場合によっては B5 のみならず A4 の通常サイズの筐体のノート PC の音より良い。

旅行先のホテルなどで備え付けの TV の音声入力を使って ipod の音声を鳴らしたりしますが、小型テレビしか設置されていない箇所などについては、その手間を考慮すると EeePC 900x で iTunes の曲を鳴らしても大差ないということもあるかもしれません。

iTUnes 自体は C か D ドライブ、MP3 は SD カードに入れておけば、EeePC の少ない容量でも万全です。(EeePC 9**以上 の SSD 採用機の基本は OS は C、アプリは D、データは SD の分類。)


昔だと MP3 の再生(デコード)や MP3 作成(エンコード)も性能が気になったものですが、このクラスでも気にする必要は無いといってよさそうです。



●動画サイトではどうか

最近は quick time、mpeg やら wmv などよりむしろ flv + α のサイトを閲覧できるかどうかが 動画サイトではより重要になります。
Youtube や youku は勿論全く問題ないです。
また、ニコニコでは たとえば「レッツゴー!陰陽師」等でも弾幕が問題なく再生可能です。
(AC 電源では勿論、バッテリ状態でもあまりストレス無くみれます。)
あれは弾幕の多さでは定評があると思いますし、画質もかなり良いので、あれで OK なら問題なしといっていいのではと勝手に思っています。
EeePC 900x でも画面の縦解像が 600 ドットと少ないですが、Craving Exploler や IE などの画面上に ニコニコやら Youtube を表示させると 丁度動画 + コントロール部分が収まる程度の感じで表示され、むしろ専用ビューワーのような様相を呈しています。



●オフィスアプリケーションではどうか

当方では愛用の Word/Excel 97 を EeePC に導入していますが(大学のときに買ったアカデミパック)家でそんなに複雑なことはしませんし、該当アプリケーションが丁度ネットブック程度の画面表示領域での活用を考慮されて作られているため、むしろ非常に使いやすい感じです。
また、最新の Office 2007 シリーズにも対応している フリーのオフィスソフト OpenOffice.org 3 も合わせて導入。
PowerPoint 系ファイル作成・編集には impress で対応します。
MS Office 系の図のコネクタがずれるといった問題はあるようですが、とりあえず開けるので良いかと。

Microsoft Office 2007 となると EeePc の縦解像度が 600 ドットのために 2007 で導入されたリボンの縦解像を考慮すると使いづらくなりそうですので、2003 までの Office をお勧めしたいです。



●画像編集ではどうか

Adobe Photoshop Elements 6 をインストールしました。
6 は起動が遅いのですが EeePC でも同様です。
ただし、アプリケーション処理速度で困るといったことも無いです。
Web 用の画像加工であれば十分に対応可能です。

Sigma Photo Pro 2.5 も導入しました。
確かに Core2Duo 2.2GHz マシンよりは遅いですが、そもそも Photo Pro 自体が遅いので表示に関しては 1.4 倍程度遅いと思っていれば期待を裏切らないスピードで動くような印象です。
また、DP1 のデータ書き出しで中(最適)で1枚4秒くらいで、むしろ案外早いです。

EeePC での本格現像で困るのは、むしろ液晶の画質が Web 閲覧には十分でも写真現像には若干不足している点です。
EeePC 900x の液晶単体で見ると見やすく綺麗で、明るすぎない、コストの割りに非常に良い液晶だと思うのですが、コントラストや色味について、VAIO FZ における クリアブラック ピュアカラー 90 液晶と比べると(比べちゃいけないけど)正直に申し上げると非常に見劣りします。
画質だけで VAIO FZ で Web が見たくなってしまうほど、該当の液晶の美しさは異常といってもよく、逆に EeePC の普通性能の液晶が残念になってしまいます。

何が違うかというと、EeePC のものはコントラストが低い、原色の発色が薄い、寒色によりすぎているという感じな印象です。これは クリアブラック ピュアカラー 90 液晶との比較であって、一般にはたいした問題ではないと思いますが、現像には影響が高くなります。
キャリブレーションなどはしていない身なので何を言うか〜という感じではありますけれどもね。
極端な品質差はやっぱり気になるのです。



●ほかに死角は無いか
結構大き目の問題として、「プチフリーズ」と「啼き」の問題があると認識しています。
HDD と違い、 SSD ドライブの特性のようなのですが たまにローカルファイルの操作開始時に「プチフリーズ」と呼ばれる一瞬フリーズしたかのような現象が起きます。2〜4秒くらい 固まってすぐに動き出しますが、気分の良いものではないです。
また、「啼き」とよばれる、カン高い小さめな「シュワシュワ・ジージー」言う駆動音がします。これはファンの音のようなのですが、気になる人は気になると思いますが、音楽でもかけるとかき消されてしまう程度の小さな音なので気にならないという向きもあると思います。

また、A5 サイズの筐体の欠点として、キーボードが小さいという点があります。
配列がたとえば Hp 機のようになるともう少々キーが大きくなったかもしれませんが、小ささを考慮するとある程度致し方ないと思われます。
英字版では我慢可能でしたが、日本語ベースのキーボードでは若干打ちづらい感じがしております。
私個人的な感想では EeePC 900-x では文章の閲覧中心で、作成は控えめな方でないとストレスになるかも知れないと思いました。
キーについては、スペースの左側が若干浮いていること、半角/全角 キーが左端ではないこと、愛用の PrtSc キーが Fn との併用でないと効かないこと等の欠点もありますが、これはこのクラスの PC においては大きな問題ではないでしょう。


●結論

個人的な感想になるのですが、やはり「NetBook」として EeePC 900x は1つの完成形といえるのではないかと思います。

http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20080704/1016378/?P=4

戸田氏には、『Vista = CoreDuo で。(Celeron はダメヨ)』という持論にこそ共感を持っていますが、ネットブックの分析には同意できない感じがしています。ただし、この結論を出した当初には 900x は日本市場にはでていませんから、その分は差し引いて考えて差し上げる必要はあるかと思います。

そもそも、ネットブックの出自は途上国の子どもの教育用途から発展し、マイクロソフトが安価に Xp を提供開始したことがきっかけになって、ガジェット愛好家の3台目PCとしての爆発的な普及に至っています。
当初の目的が Web ビューワー + α的な実用性の高い PC 端末をいかに安く提供するか〜 がコンセプトなので、PC の期待されるひとつの性能としての高機能さについては NetBook についてはそもそも考慮外だし、それを実現するものではない・としてもいいものだとおもいます。
また、携帯性それ自体が性能の一部であると考えるべきで、その面では比較的高性能であると思います。
ですから、それら目的に対して達成している性能 と考えると割安ですし十分な性能を持っているといえます。

ただ、上記の戸田さんもおっしゃっていますが、NetBook としての利用に興味がなく、単純に安価な PC として求めるという向きには全くお勧めできません。
Hp やら Dell やらの安価 PC もこの NetBook のためにより安くなっています。
それらをお求めになるほうが価格帯効果費用がより良いと思います。




*掲載写真は全て SIGMA DP1 でお気軽撮影の後、Adobe Photoshop Elements 6 でリサイズ、加工済みのものです。

以前のEeePC に関する記事 | Linux 版 旧機種に関する記事


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