ノート PC、なかでも携帯性を重視したタイプを評価する際には、以下の4点が重要と(個人的には)思っている。
・デザイン (主観)
・携帯性 (小型・薄型・軽量・バッテリ駆動時間が長い)
・価格 (割安)
・性能 (演算能力・接続能力・ポート数)
上記4点のうち、デザイン(主観)以外の3点はトレードオフの関係にあると見ている。
携帯性が向上させようとすると価格が上がり性能が下がる。
価格を下げようとすると、携帯性と性能が下がる。
性能を上げようとすると、携帯性が下がり価格が上がる。
性能は より大きく、高価で、電力をより消費する発熱量のより高いもの・あるいは小さくより電力消費は少ないが”やけに高価”な製品が支えている。
携帯性も、実現するにはより高価で技術の高い製品が求められる。
上記2点には、価格が高いことが条件になってしまう。
元麻布氏のいうとおり、これを言い換えると「モバイルノート PC のユーザーは、3点のうちのどこかで妥協を強いられる」ということになる。
上記を考慮に入れると、現状の日本の多くのモバイル PC は
1kg 前後の超軽量筐体に 12 インチ前後の WXGA〜XGA 液晶を実装、2 スピンドルドライブすら実装でき、JITA 基準で 8 時間駆動なども実現しつつ Core2 プロセッサ(低クロックだが)を実装する上18万前後の価格 〜のようなものが主流であろう。
100Kg 程度の加圧にも耐えられる といった付加価値も散見されるようになってきた。
ザックリまとめると
・デザイン △
・携帯性 ○
・性能 △
・価格 ×
といったところか。
殆ど私の主観だが、大きくはずれてはいないのではなかろうか。
■ ネットブックはマニアックなバランスが最大の魅力
2008年のヒットであるネットブックは、Intel や Microsoft の思惑にあやつりつつ、価格をより重視した構成になっている。初期は小型のものが多かったが、液晶パネルをよりやすく入手可能なため、そのフォームファクタに合わせたのが実情と見てよいと思われる。
その証拠に、価格はすえおきで各社とも初期の9インチ前後の液晶筐体から、10〜12インチまで拡大してきている。
また、液晶以外の部品については、より低クロックかつ比較的低消費電力なモバイル CPU に、前時代 PC よりは比較的高速なメモリと小容量ながら比較的高速な SSD (あるいは 2.5 インチ HDD など)を載せ、動作の軽い前時代 OS である Windows XP という合わせ技で、同価格帯の巨大かつ高性能パーツを揃えた Windows VISTA 機と Web 閲覧程度であればそん色ないキビキビ感を出すことに成功した。
詳しく書くと上記のようになるが、
ザックリ書けば、廉価な部材を最適な形に組み合わせた結果、Web 閲覧程度の能力に関しては、より高価なパーツを組んだものに匹敵する快適さを一部ではあるが実現した・・・ということだと思われる。
液晶解像度が 1024*600 以下というところが頼りないが、9インチモデルにおいては文字の大きさのバランスなどが優れているというメリットもある。
まとめると
・デザイン △
・携帯性 △
・性能 △
・価格 ○
こんなところか。
電池のもちは、EeePC のようにやけに長く駆動可能な機種もあれば申し訳程度の機種もある。
■ 携帯性は高いが性能が微妙な type P
僕は価格は”高い”までとは思わない。これだけの集積をし、薄型化してこの価格で抑えているという事実は、逆に素晴らしい位だが、やっぱりもうチョット安くして欲しいので◎にはできない。
・デザイン ○
・携帯性 ◎
・性能 ×
・価格 ○
封筒サイズでフルフラットで 20mm を切る薄さで 600g。電池のもちは若干頼りないけれど 標準的 NetBook よりは長い。
最大のマイナスポイントは VISTA で Atom という、性能上の頼りなさと、8インチで 1600 ドットの高解像度が僕にはチョット厳しかった。
Windows 7 では比較的キビキビらしいので、後継の活躍に期待かなぁ。解像度は、僕には同じサイズなら 1440*600 ドットが最適に感じる。
■ EeePC 900-X の足りない部分は補えない存在「MacBook Air」
さーて、長々と元麻布さんの原稿の追っかけをしてきたが、もう少しで結論なのでお付き合いいただきたい。
ゼロスピンドル機である MacBook Air が、リリース時に比較で使ってきたのは 2 スピンドル機の VAIO Type TZ。
なので、因縁の対決なのだが、もう少し 先延ばしで。
EeePC 900-X に関しては、以下のように感じている。
・デザイン ○
・携帯性 ○
・性能 △
・価格 ○
非常にバランスが取れたよい機種だと思っている。SSD が 8+8GB ということ以外は他の人にも勧め易い。
EeePC 900-X で何が一番困ったかというとやはり入力の問題だ。
使いやすい小型サイズで持ち運びがラク。さっと開いてぱっと見るには最適の SSD + スリープ + そこそこのバッテリーライフ。
この機動力につられ、最近はプライベートなブログやメールはほとんど EeePC で書いている有様。機動力は正義なのだ。
しかし、入力中は夢中でとにかく入力するが、EeePC での入力が終わるとなんやら疲れる。
原因は、旧 EeePC と比較しても”なんか貧弱”というコイツのキーボードだと判明した。
では、MacBook Air なら補える?
とんでもない。
・携帯性 (小型・薄型・軽量・バッテリ駆動時間が長い)
・価格 (割安)
・性能 (演算能力・接続能力・ポート数)
で考えたとき、MacBook Air は
面積で考えるとモバイルとしては 薄型だが大型であり、
ゼロスピンドルにしてはやけに重い 1.36kg 、
値段は高い部類だし、性能は演算能力は Core 2 Duo 1.6GHz ということでソコソコはあるが、接続能力・ポート数は USB*1 / mini DVI +無線ということで絶望的だ。
(EeePC では USB*3 / VGA*1 / LAN*1 / SDHC SLOT*1 + 無線)
私には
・デザイン ○
・携帯性 △
・性能 △
・価格 ×
ということであった。
MacBook Air はトータルとしては私には EeePC 900-X にも劣るように感じられるものだ。
■ VAIO type-TZ は私には恐るべきマシン
では type-TZ はどうか。
私のものは VGN-TZ91HS なわけだが、
入力性は驚くほどよい。このサイズのキーボードの類では非常に良い(主観)のだ。
また、表示液晶が 11インチにして 1366*768 と高解像度である上、明るく、超絶に美麗だ。
・携帯性 (小型・薄型・軽量・バッテリ駆動時間が長い)
・価格 (割安)
・性能 (演算能力・接続能力・ポート数)
で考えた場合、
全体の薄さは MacBookAir に譲るにしても、液晶側の薄さは劣るものではないし、本体は2スピンドルだ。面積的にもAir が13インチに対して TZ は11インチ機のため、圧倒的に小さい。
バッテリ駆動は(中古で)3時間以上は持つようである。現状毎日1時間程度使っているが、バッテリメーターで20%未満程度しか減らない。
MacBook Air の5時間駆動と近い S バッテリ(JITA 6 時間)では、2スピ構成でも 970g と軽量である。比較にならないのだ。
価格は通常で購入すると中古でも高いが、今回は激安で入手した。
性能は、1.2GHz とはいえ、Core2Duo は高性能だし、筐体側には2スピンドルと、ほぼフルにコネクタを装備している状況。
HDD / DVD マルチ / iLink*1 / USB*2 / LAN*1 / モジュラージャック*1 を装備しつつスロットも MS / SD のデュアルだし、エクスプレスカードもあるのに最厚部 22.5mm の厚み(L バッテリでは 29.8mm)というのは、USB*1 / mini DVI のみの MacBook Air の最厚部 19.4mm と比較すると、「Type-T は薄すぎて問題がある!」といいたくなるほどである。
プレミアムカーボンということもあり、デザインは好み直撃である。
ということで、私の個別ケースではあるが、
・デザイン ◎
・携帯性 ○
・性能 ○
・価格 ◎
ということで結論付けたい。
いやー、丸だらけだと気持ち良いけどひいきの引き倒しですなぁ。
んで、元麻布氏の Mac Book Air の評価も低いなぁ・・・
性能の評価はちょっと微妙かな。僕の評価する性能と基準が違うみたいなんで。